誰かが行かねば、道はできない。
剱岳 点の記 を試写会で観て来ました。
険しくも美しい山の映像、素晴らしかったです。大きなスクリーンで観てこその迫力!を存分に味わうことができました。特に、雲海に沈み行く夕日のシーン 「・・・・うわぁー・・・・」という抑えきれずに湧き上がった感嘆の声が会場のあちこちからもれていました。
台詞はなくてもいい(といっては失礼でしょうが)、ただただ瞬きする間も惜しんで映像を見て!といいたくなる映画でした。
私は山登りどころか平地を歩いていてもつまずいてしまうような奴なので(自慢することではない・・・・笑)、山登りの魅力や危険を承知で山に登らなければならないという男達の気持ちを理解することは、多分できません。映画の中で、測量隊の柴崎(浅野忠信・・・・母いわく、40年前ならあの役は高倉健さんがやってただろうね、だそうです。)と、山岳会の小島(仲村トオル)とが、「なぜ山に登るのか」というやりとりをしていました。どちらの答えも描かれないままストーリーは佳境へと進んでいくので、観ている時はチョット不満でした。(不完全燃焼・・・・もやっと感が大きかったので。)でも、今は、いいシーンだったなぁって思えます。(答えは、観た人それぞれの中に生まれてくるもので、それは全部正解なのだから。)
笑いのない2時間20分。
厳しい山の自然の中、凍えそうな寒さと息苦しさを感じつつ・・・・なんとも敬虔な気持ちになりました。
しかし、肝心なところで、無知ゆえに「はぁ?」「なんで?」の疑問に襲われてしまい・・・・もったいなかったなぁと思います。(^^;) 測量の知識(・・・・もしかして一般常識?)がない人向けに、もう少し説明の字幕が欲しかった、かも。
最初に、「点の記」についての説明が字幕で入ります。
が、三角点の等級(?)の説明がありません。
「三等三角点と四等三角点の違いは?」
説明できない方は、予備知識として仕込んでいくことをおすすめします。
じゃないと、どこぞの母娘のように、おばかな会話をするはめになりますよ。
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ネタバレ?
「四等じゃ記録に残らないなら、三等にすればいいんじゃない?」
「失格者が出た徒競走じゃないんだから、勝手に繰り上げたりできないんじゃない?」
「繰り上げっていうけど、四等より三等の方が上なの?」
「・・・・(わからないのでコメントできず)」
「点の記って映画なのに、散々苦労して結局、点にもなりませんでしたってこと?」
「・・・・(白眉の名作なんだから、そんな解釈じゃあんまりだ)」
「まぁ、登らずして素晴らしい山の景色が観られたから、いっか」
「え?!いいの!?」
「うん、ただだったし」
「・・・・(そういう問題か?)」
「帰りにKIHACHIのアイス食べていこうね」
「(映画を観終わって)かな~り寒くなったんですけど・・・・」
「じゃ、さくら♪ちゃんのおごりで母だけ食べるね」
「はぁ!? どこが、「じゃ」 なの? 会話つながってないのわかってる?」
「マンゴーあるかなぁ♪」
「・・・・ねぇ、四等と三等の違いの話はどうなったの?」
「おいしいアイスにゃ、かなわない!ってことだね~」
ペア券が当たったとはいえ、なぜ母と一緒に行ったんだろう、わたし・・・・と思いつつ、KIHACHIでマンゴーアイスの券を購入したのでありました。
by sakura-3rd | 2009-06-16 22:23 | 映画&読書