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おろかなりのいとしさ

 私に言わせれば、江戸は情夫だ。
 学んだり手本になるもんじゃない。
 死なばもろともと惚れる相手なんだ。
 うつくしく、やさしいだけを見ているのじゃ駄目だ。
 おろかなりのいとしさを、綺堂本に教わってから
 出直して来いと言いたい。
 
 江戸は手強い。が、惚れたら地獄、だ。


           杉浦日向子 / うつくしく、やさしく、おろかなり
                   「ちくま日本文学全集 岡本綺堂」より



 ねこさまのブログでのヒナさまのコメントから、「杉浦日向子」と「岡本綺堂」で
思い出したのがこちらの言の葉でございました。

 コンパクトな文庫本には、岡本綺堂の代表作「半七捕物帳」から5編、「三浦
老人昔話」より4編、「青蛙堂鬼談」より2編、そして「修善寺物語」と「相馬の
金さん」が収録されています。

 つまみ読み(?)・・・・いえ、メインディッシュばかりが揃っていて、岡本綺堂
への入口としては大変お得でございますよね。杉浦日向子さんが寄せている
文章も含めて、私はとても気に入っています♪

 綺堂の立ち姿そのままに、しゃっきりしゃんと背筋が通った文体で描かれる、
うつくしく、やさしく、おろかな人々が暮らしていた江戸の町。

 また訪ねてみたくなりました。

by sakura-3rd | 2008-12-12 23:31 | 映画&読書