おろかなりのいとしさ

 私に言わせれば、江戸は情夫だ。
 学んだり手本になるもんじゃない。
 死なばもろともと惚れる相手なんだ。
 うつくしく、やさしいだけを見ているのじゃ駄目だ。
 おろかなりのいとしさを、綺堂本に教わってから
 出直して来いと言いたい。
 
 江戸は手強い。が、惚れたら地獄、だ。


           杉浦日向子 / うつくしく、やさしく、おろかなり
                   「ちくま日本文学全集 岡本綺堂」より



 ねこさまのブログでのヒナさまのコメントから、「杉浦日向子」と「岡本綺堂」で
思い出したのがこちらの言の葉でございました。

 コンパクトな文庫本には、岡本綺堂の代表作「半七捕物帳」から5編、「三浦
老人昔話」より4編、「青蛙堂鬼談」より2編、そして「修善寺物語」と「相馬の
金さん」が収録されています。

 つまみ読み(?)・・・・いえ、メインディッシュばかりが揃っていて、岡本綺堂
への入口としては大変お得でございますよね。杉浦日向子さんが寄せている
文章も含めて、私はとても気に入っています♪

 綺堂の立ち姿そのままに、しゃっきりしゃんと背筋が通った文体で描かれる、
うつくしく、やさしく、おろかな人々が暮らしていた江戸の町。

 また訪ねてみたくなりました。
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by sakura-3rd | 2008-12-12 23:31 | 映画&読書 | Trackback | Comments(4)

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Commented by tukitodoraneko at 2008-12-13 19:25
ほー・・日向子姫はそうおしゃっていたんですか
情夫かー 私はそれほどじゃありませんが
「ねこ」に似てるかなーと 思っています
くるくる気が変わり 自分勝手で 気が向くとやさしくて
甘え上手で 怒りっぽくて 時々かみつかれても
なんだかかわいい いてくれるだけでいい・・・
そんな感じ・・・そしていつのまにか 私の毎日に
どすんと 居座ってしまった感じ ですかね
さくら♪さんは?
Commented by masa-tomi-mari at 2008-12-14 10:56
「修善寺物語」は読んだことがあります。能面師夜叉王と二人の娘かえでとかつら、頼家の暗殺など。あれも怖い話ですが本当の職人気質は平成の世にも受け継がれているのでしょうね。
Commented by sakura-3rd at 2008-12-15 01:16
ねこさま
なんともねこさまらしいコメント(^^)
その流れでいきますと、私にとっての江戸は「さくら」に似ているということになりましょうか。えーっと、ワクワクしながら待ち、あちこち見て歩きつつ愛で、時には気の合う仲間とにぎにぎしく宴を催し、最後まで美しくあれと願う・・・・そんな感じです。ただ、季節ものですゆえ、年がら年中関わりあっているわけではございません。(^^;)
Commented by sakura-3rd at 2008-12-15 22:25
おじさま
修善寺、実はまだ行ったことがありません。
怖い話は抜きで、温泉につかっての~んびりしたいものです。