題詠2015鑑賞 009:異
*同じお題で先に詠まれた歌の中からベスト10首を選んで、勝手にコラボレーション鑑賞中です。
他人との差異に気づかずマイルール振りかざしてた思春期の棘 (文乃)
少数は異端とされる教室で時々息の仕方を忘れる(星乃咲月)
言葉にも突然変異あるらしく新語珍語が出てきては消え (はぼき)
全集の異界編だけ重くなり泉鏡花が後ろから来る(廣珍堂)
価値観の異なる人が同じ本を好きだと知ってしばし戸惑う(五十嵐きよみ)
旅行屋のパンフレットを眺むれば 旅せず異国の匂いを想う (藤原湾)
たつきの手ふと休むれば異界への出口のやうなしろき満月 (紫苑)
戒めに言葉を混乱させし神なにゆえ異(い)なる民族作れり (梅田啓子)
それではと異なる道を歩みだす生涯忘れぬ人と為りても (映子)
それぞれを異物とみなす僕らにも1たす1が2になる予感 (きむろみ)
by sakura-3rd | 2015-07-13 13:32 | 百歌繚乱~題詠~