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民衆知

 仙台市若林区には、「浪分神社」が祀られています。慶長十六(1611)年の
津波では海岸から遠く離れた境内にまで波が押し寄せて、二手に分かれたと
いう伝承が残されています。三陸沿岸にも、ここより下に家を建てるなという
石碑が高台の辺りに立てられています。

 しかし、そうしたことがらはエピソードとして語られることはあっても、本格的な
話題にはされてきませんでした。現代人は、先人の経験に裏付けられた「民衆
知」よりも、現代科学の「権威」側に身を寄せてしまいがちなのです。

 ・・・・

 そのために、東北の歴史を踏まえ、先人たちの対処法や教訓に学ぶことに
よって、すなわち「民衆知」のあり方に学ぶことによって防災・復興のあり方を
模索し、エールをおくるといった、精神的な支援ができるのではないかと思い
ます。


          入間田宣夫  東北文化友の会会報「まんだら」vol.47より

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 「歴史を学び、歴史に学ぶ」

 学生時代にきいた入間田先生の講義の中でとても印象に残っている言葉です。
 今が、まさにその本領を発揮する時なのだと実感しています。
 若輩ながらも教壇に立つ者として、常に心に置いている言葉です。
 教科書にのっていることだけでなく、「民衆知」に関することまで、もっともっと
学んで、わかりやすい言葉でひとつでも多く生徒たちに話してきかせることが
できるよう・・・・励みたいと思います。

by sakura-3rd | 2011-06-09 22:20 | 言の葉