ありのままを、あるがままに
人の思う「良いこと」が自然界にとっても「良いこと」とは限らない。
人が「何かしてあげよう」と思うのはおこがましい。
自然界の生き物達は、 「人間たちよ、何もしてくれるな」と
思っているに違いない。
中村征夫/いわき市での講演会より
講演会の会場にいた小学生が、質問した。
「今まで何匹の写真を撮ったのか」と。
中村氏は、少し考えてから答えた。
「だいたい78か国で、1000種類くらいの魚を撮った。
まだチョットしか撮ってないから、これからもっといっぱい撮りたいんだよ」と。
それをきいて、別の小学生が、なんの衒いもなく質問した。
「もっといっぱいって、どんな写真が撮りたいの?」
純粋な疑問だったからこそ、思わず壇上の中村氏を見ながら、息をのんだ。
そんなファン心理などおかまいなしに、氏はとても嬉しそうな笑顔で答えた。
「撮るために、カメラのレンズは向けるけれども、
撮りたいのは、フィルターを通さない自然の真の姿。
それをたくさんの人に伝えられる写真が撮りたいんだ」と。
ありのままを、あるがままに。
自分の目についた余分なフィルターを外して、彼が見せてくれる世界を
純粋に楽しみたいと思った。これからもずっと。
by sakura-3rd | 2009-02-04 23:08 | 言の葉