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神戸・浮世絵名品展

神戸・浮世絵名品展_d0137604_215546.jpg

☆ 2008年2月3日(日) ☆

 神戸市立博物館 に行って来ました。

 日本初公開の浮世絵の数々を見るために、メリケンパークから吹きつけて
くる冷たい風にも負けず、開館前の行列へ。といっても、待つこともなく開館
時間となり、館内へ。初めての博物館で観る浮世絵、ワクワク期待が高まっ
て、階段を上りながら顔がにやけている私でした。

 入口でメモの準備をしていた時に、3色ボールペンしか持っていなかったこ
とに気づいたのですが、会場係の方に確認したところボールペン使用OKで
ひと安心。(国立博物館は鉛筆のみ可)

 今回の楽しみは、春信と北斎の美人画♪
 混み合っている入口付近の春信は後回しにして、まずは北斎へ。

神戸・浮世絵名品展_d0137604_22353741.jpg「花くらへ 弥生の雛形」

 北斎が20代後半から30代初めの頃、大判に描いた本格的な美人画です。モデルになったのは「丁子屋の錦戸」と「扇屋の夕栄」で(もうひとりは振袖新造ですね)、吉原細見を調べると、天明4~5(1784~5)年の頃に描かれたことになるようです。

 時代背景としては・・・・
 田沼意次が老中として政治を行っている頃ですね。1783年夏に浅間山が噴火し、東北地方では冷害と凶作により十万人以上の餓死者が出た(天明の飢饉)・・・・賄賂による政治不信を招いた田沼は、江戸城内で息子・意知が殺された後、将軍家治の死とともに失脚するわけです。

 が、吉原は別世界ですねぇ。

 それから220年以上経た今、こうして目の前で眺めることが出来、なんとも感慨深いものがありました。ボッティチェリの描く三美神もうっとりしますが、北斎の三美人も日本らしい美しさを表現していると感じました。

 まぁ、頭のかんざしが重そうなので、首を痛めたり、肩こりがひどかったりしたかも・・・・なんて思ったことも書き加えておきましょう。(笑)

神戸・浮世絵名品展_d0137604_2321036.jpg「東都名水鑑 玉川上水の源
小金井堤間を流」
   歌川広重

 団扇絵は思わず「欲しい!」と思うものがいろいろありました。
(帰りにお土産を買っている時、ご一緒したうみうさぎさんもおっしゃっていました。ホント、団扇に仕立てて売っていたら、かなりの収益があったと思われます。)そのうちのひとつがこれです。

 小金井は江戸の頃から桜の名所として知られているところ。
 この団扇絵には、青空に富士山、多摩川の両岸に桜並木、そして瓢から酒を酌む美人(多分)の後姿が描かれていて、とても魅力的でした。
 おりしも鑑賞したのは節分の日。春の訪れはもうすぐ、ということもあって・・・・「次は、小金井でお花見の頃に会いましょう♪」

 また、版下画の「桜にインコ」「虫を捕まえる猫」を見て、磯田湖龍斎に興味を持ちました。桜好きだというだけではなく、インコも猫もなんとも愛らしく描かれていて、もっと他の作品も見てみたいと思いました。

 そして、ガラスにへばりつくようにして見たのが、歌川貞秀の「新版早替両面化物」 これはかなり面白い絵でした! 絵葉書になっていなかったのが残念でした。

 これほどの浮世絵を見たのは久々で、神戸まで出かけた甲斐がありました。老後の楽しみに図録も購入したので、おりを見て開いては思い出し笑いをすることになるでしょう。

 楽しい時間を、ありがとうございました。




 ヴィクトリア アンド アルバート美術館は、大英博物館とともにイギリスが世界に誇るミュージアムとして知られています。
 本展では、近年、学術調査によってそのユニークな価値が確認された約25000点の浮世絵コレクションの中から約160件を選りすぐり公開いたします。

 本展覧会は、次の4つのセクションで構成されます。

1.華麗なる錦絵の展開
  錦絵創製に携わった鈴木春信から、歌麿、北斎、広重、国芳を経て、幕末・明治の暁斎にいたる錦絵94点を展示します。

2.稀少な団扇絵(うちわえ)の世界
  日用品ゆえに残っていることが稀な団扇絵を展示します。

3.最盛期の狂歌絵本
  保存状態良好で、色目の美しい豪華な狂歌絵本を展示します。

4.肉筆画と版下・画稿
  錦絵制作過程を知ることのできる貴重な版下絵・画稿、また、北斎の著彩肉筆7図が収められた貴重な『肉筆帖』を展示します。

by sakura-3rd | 2008-02-10 21:04 | お出かけ